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筑豊地区法律相談センターの活動報告Activity

筑豊法律相談センター委員会
委員長 森 隆

1. 法律相談センターにおける相談業務の概要

筑豊地区における弁護士会の法律相談センターは、平成5年(1993年)4月に飯塚法律相談センター(飯塚市)が開設されたのを皮切りに、平成12年(2000年)3月に田川市、直方市にもそれぞれ弁護士センターが開設されました。その後、各センターとも相談件数が順調に増加したため、田川弁護士センターは平成13年3月から、直方弁護士センターは平成15年4月から、飯塚法律相談センターは平成17年5月から現在の場所に移転しました。これにより、筑豊地区の住民の方は、概ね車で30分程度の距離で、相応な規模を有する常設の施設での弁護士の相談を受けることができるようになりました。

また、法律相談を充実したものとするためには、相談をお受けする弁護士の供給を十分なものとすることが必要であることはいうまでもありません。かつては、筑豊地区は弁護士過疎地域であると言われており、福岡地区や北九州地区の弁護士の協力を仰がなければ相談の実施が困難な状況にありました。しかし、現在は筑豊地区で30人の弁護士が在籍しており(ここ8年で倍増したことになります)、筑豊地区在籍の弁護士が法律相談枠の大部分を担当することができるようになりました。

他の地区同様、筑豊地区も今後一層弁護士数が増加するものと予想されますので、弁護士の供給という面からも今後一層相談者のニーズにお応えできる体制が整うものと考えております。

現在は、飯塚及び田川の各センター月曜日から金曜日の午後1時から午後4時まで、直方弁護士センターは月、水、金の午後1時から午後4時までの相談を行っています。また、田川弁護士センターでは、平日に相談をするのは困難な方のニーズにお応えするため、昨年度から土曜日の午後1時から午後4時までの相談も実施しています(事前に予約が入った場合のみ)。

2. 無料法律相談委託制度

飯塚法律相談センター、田川弁護士センター、直方弁護士センターにおける相談は、いずれも基本的には有料(30分5,000円+消費税)としています。ただし、筑豊地域においては住民の間に無料法律相談を行ってほしいという希望が強く、各地の無料法律相談はいつも満杯になるという状況にありました。そこで、筑豊地域各自治体(一部の町を除く)との合意の下、無料法律委託制度が実施されています。

本制度は、各地方自治体と福岡弁護士会との間で無料法律相談委託契約を結び、各自治体から年間一定の委託料を支払っていただくことによって、自治体から発行される紹介状を持参した住民に対して上記各センターで年間1回限り無料法律相談を実施するというものです。

本制度により筑豊地区の住民の方は比較的簡単に無料法律相談を受けることができる体制となっています。また、後述するとおり、本制度は一定の成果を上げているものと自負しております。/p>

3. 相談件数の推移(別表1、2)

年度別の相談件数の推移(別表1)を見ますと、飯塚法律相談センターは平成5年度の開設後順調に相談件数が増加し、平成13年度に1,000件を超え、その後平成22年度までは年間1,000件前後で推移していました。

他のセンターも同様の傾向を示し、田川弁護士センターは平成15年度には年間1,000件を超え、その後平成21年度までは年間1,000件前後で推移し、直方弁護士センターも平成15年度以降平成21年度までは年間500件前後で推移していました。ところが、その後は一転して相談件数は減少し、昨平成24年度は飯塚法律相談センターが772件、田川弁護士センターが523件、直方弁護士センターが306件と、最も件数が多かった時期の5割~7割程度の件数にとどまっています。

その原因についてはいろいろ考えられますが、過払い金返還請求を含めた多重債務問題全般が終息化しつつあることが最大の原因となっているものと考えられます。なお、平成24年度の相談件数合計1,601件のうち、第1項で述べました無料法律相談委託制度を利用しての無料法律相談件数は1,180件を占めており(別表2)、同制度が一定の成果を上げていることをうかがい知ることができます。

4. 利用者に関知経路(別表3)

法律相談センターを利用するに至った経路の内訳(平成24年度)は、別表3のとおりとなっており、相談件数合計1,601件のうち、「市役所」(筑豊地域の各自治体の役所、役場)が567件と3分の1強を占めます。

まずは地方自治体に相談し、そこから法律相談センターを紹介されたという例が多いということになりますが、これは前記無料法律相談委託制度の成果でもあろうとも考えております。

また、知人親戚等からの紹介が136件(約8.5パーセント)、「以前から知っていた」、「再来(同内容の相談)」、「前利用(別内容の相談)」が併せて154件(約9.6パーセント)と弁護士会の法律相談センターが住民の方に周知されつつあることもうかがい知ることができます。

その他、NTTタウンページ、電話帳(合計133件)、ホームページ(61件)も相当の割合を占めており、弁護士に相談したいがどこの相談したらよいかわからない方が電話帳を見たり、インターネットを利用して検索されている状況がうかがえます。

5. 相談内容の内訳(別表4)

平成24年度の相談内容の内訳を見ますと、離婚・遺産相続等の家事事件が448件と総相談件数の約28パーセントを占めます。筑豊地区の特徴として高齢者の比率が高く、今後も高齢化傾向が続くと予想されることからすれば、今後も遺産相続事件を含めた家事関係事件は増加傾向が続くものと思われます。

6. 市町村別の内訳(別表5)

市町村別の相談件数の内訳(別表5)を見ますと、飯塚市が558件(約35パーセント)と最も多く、次いで田川市が252件(約15.7パーセント)、直方市が214件(約13.4パーセント)となっており、これら3市で1,024件と全体の約64パーセントを占めます。

その要因としては。これらの3市の人口等の規模や法律相談センターへのアクセスの容易さの外、他の市町村においては自治体の協力の下定期的に法律相談を実施している地域があり、これら法律相談により住民のニーズを一定程度みたしていると推測されることなどが考えられます。

7. 筑豊3センターの将来

前記しましたとおり、とくほう地区在籍の弁護士は増加傾向にあります。

その過半は、いわゆる若手に分類され、そのため経験は未だ浅いと言わざるを得ませんが、その分やる気があり、フットワークが軽い者ばかりです。また、これは小規模部会の最大の利点だろうと思いますが、お互いの顔が見えるため先輩弁護士にも相談しやすい雰囲気があります。他方、先輩弁護士は、筑豊地区の弁護士過疎時代を経た結果、多種多様な経験を持っており、その経験を後輩へ色々と伝授できる体制にあります。

法廷の中から法廷の外へと弁護士の活動範囲が広がりを見せている今日、様々な分野で地元に密着した弁護士に対するニーズが増えているものと思われます。前段に記載しました体制からして、筑豊地区の弁護士は、現時点でも皆様のニーズにお応えできるよう、研鑽することを肝に銘じております。

私どもは今後も筑豊地区の皆様に対する法的サービスの充実に尽力することを誓いますので、皆様のご理解、ご協力をお願いいたします。

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